毎年冬になると心配されるのがインフルエンザの流行です。インフルエンザは通常の風邪とは違って、感染率や死亡率が高いことから、お年寄りや子供、病気などで免疫力が弱っている方は、特に注意が必要です。今年は鳥インフルエンザが大流行するのではないかという懸念もあり、各国政府が例年以上に対応に頭を悩ませています。
灸で免疫力アップ!
世界保健機構(WHO)が針灸治療を薦める病気にはインフルエンザが含まれています。この場合、大椎(だいつい)と風池(ふうち)に温灸をします。 大椎は督脈のツボですが、三陽経が全て集まるところです。ここに温灸すると陽の気が強くなり、免疫力が上がります。大椎に温灸すると、中医学的には「温陽散寒去風解表」の作用があります。これは、「陽を温めて寒を散らす」「風邪を去らせて体表の邪気を払う」という意味です。だから、大椎は風邪や感染症の初期や予防に有効です。 風池は足少陽胆経のツボです。足太陽膀胱経と陽維脈との交会穴で、陽の経絡が集まります。「風が溜まる池」という名の通り、このツボには風邪が集まります。風池に温灸をすると「去風解表」の作用があります。
SARSの治療にも灸が使われる
また、昨年大パニックを引き起こした重症急性呼吸器症候群(Severe Acute Respiratory Syndrome=SARS)の治療に灸が使用され、治療効果があったことが、北京の胸科医院で確認されています。 SARSの病原は主に新型のコロナウイルスで、発病機序はコロナウイルスが人体に侵入後、大量にリンパ細胞、特にTリンパ細胞を破壊し、生体の細胞免疫機能を急激に低下させます。 灸をすると、強身保健、人体の免疫力を引き上げます。また、患者さんの虚実寒熱を問わずに使用できます。
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