中国には「毎日ねぎと酢を食べるとますます元気になる」ということわざがある。
1日1本ねぎを食べるとよい。中国では豆腐の上にねぎとピーナツをのせ、みそで味付けしたものがよく食べられる。
ねぎの旬は11月〜3月。立春からの雪の下のねぎが一番おいしいといわれる。
ねぎは一度凍結するとおいしさがアップする。保存する時は、冷蔵ではなくて冷凍すると使う時に香りが倍増する。
味は辛(肺に入る。)、温性、肺経と胃経に入る。
● ねぎの解毒作用 中国で川魚以外には新鮮な魚を食べることは稀である。鯉やいわしをそのまま食べると蕁麻疹が出ることがある。魚や肉などのタンパク質を食べる時、ねぎがないとアレルギーが出ることがあり、昔は「魚にあたった」と表現されていた。ねぎは魚、特に青魚の毒を解毒する。
● ねぎは薬としてどう使われてきたか。
・ 『神農本草』には、風邪や中風に使われることが書かれている。
・ 『傷寒論』には冷え性に使われることが書かれている。「通脈四逆湯」という漢方にはねぎが使われている。
・ 『本草綱目』には、ねぎは太陰の頭痛に効くとある。太陰の頭痛とは湿気による頭痛を指し、梅雨で頭がボーっとする時はねぎが効く。また陽明の頭痛にも効く。陽明の頭痛とは前頭部の頭痛を指す。
・ 心筋梗塞の救急治療にねぎが使われていた。ねぎの白い部分を潰してどろどろになった液を鼻に入れ、口から息を吹き込む。
● ねぎの注意事項
@ 汗が出やすい人はねぎの多食を避ける。
A ハチミツとねぎは相性が悪いので一緒に食さない方がよい。
B ねぎにはカリウムが多く含まれるため、腎不全など腎臓病の人はねぎの多食を避ける。
● ねぎの薬理効果
@ 消化酵素を増やす。 特に胃酸が増える。胆汁液も増えるので糖尿病や膵臓炎によい。 A 抗菌・抗ウイルス作用がある。 インフルエンザに効果がある。インフルエンザウイルスの培養液にねぎを入れるとウイルスが死ぬ。鳥インフルエンザウイルスでも同様の効果が確認されている。
B 動脈硬化に効果がある。 アリシンが血管を開く。ドイツでは高血圧、動脈硬化の薬として白ねぎの濃縮液の薬ができている。
C 抗アレルギー効果 アリシンの働きでヒスタミンが抑えられる。花粉症の人にきざみねぎの匂いをかがせる。一時的にくしゃみが出るが、その後くしゃみや鼻水が鎮まる。
D 抗癌作用 白ねぎだけでなく玉ネギにも抗癌作用がある。
● ねぎで治る病気
@ 風邪
ねぎは咳にもよい。肺経のツボである中府に白ねぎを切って貼り付ける。痰や喘息に効果がある。
A 耳鳴り
ねぎの酢漬けがお勧めである。ねぎを洗って黒酢に一晩漬ける。また、白ねぎをたいた汁を一週間飲んだら耳鳴りが消えた例もある。
B白内障
ねぎとアワのおかゆがよい。ねぎ250gは潰し、アワ100gとともに1リットルの水で1時間ほど炊く。最初は強火で沸騰したらとろ火にする。電気炊飯器を使用するとアワがあふれるので鍋(できれば土鍋)を使用する。以前は影しか見えなかったが、一週間に3〜4回このおかゆを食べ、半年後には見えるようになった。眼病の予防にもよい。
C 切迫流産
ねぎを中心にしたサラダがよい。ねぎとわかめ、大葉を調味料であえてサラダにする。2〜3回食べると出血が止まる。副作用もない。
<レシピ>
● 酸辛湯
材料:白ねぎ100g−200g、イカ200g、酢(または黒酢)1?、コショウ少々
作り方:白ねぎと酢、コショウを入れて炊く。イカは硬くなりやすいので後で入れる。
● ねぎの焼き餅
材料: ねぎ1本、小麦粉300g、お湯130cc、油・塩少々
作り方:小麦粉とお湯、塩をボールに入れてこねる。耳たぶほどの堅さになったら麺棒を使い薄くのばす。薄く油を塗り千切りにしたねぎをのせる。端から適当に折りたたんでもう一度麺棒で薄くのばす。油を引いたフライパンで両面を焼く。
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