アルツハイマー協会の第1回アルツハイマー予防会議が6月に開催され、症状が現れる9年前にアルツハイマーが予測できる可能性について発表された。
中高年の被験者に対して、彼らがまだ健康なうちに脳を陽電子放射断層撮影(PET)したところ、脳の海馬と呼ばれる場所でエネルギーの使用量が低い時、アルツハイマーや関連の記憶障害にかかることが85%の割合で示唆された。
アルツハイマー予測のためにPETを用いるのは時期尚早であり、まだ予防手段がないのに、事前に知るべきかどうかについて、重大な倫理的問題がある。しかし、この発見は、退行性脳障害の発症を少なくとも遅らせる手がかりとなる可能性がある。ほんの10年前には予防の可能性にすらほとんど言及できなかったことを考えると、大きな一歩といえる。
同会議では以下の発表も行われた。
■ 1800人の日系アメリカ人の老人を対象にした研究によると、1週間に少なくとも3回フルーツ又は野菜ジュースを飲む人はジュースを飲まない人よりアルツハイマーを発症させる可能性が4倍低いようだ。ジュースには脳を守る役割を担っていると見られるポリフェノールが高い濃度で含まれているからではないかと推察されている。
■ 健康上全く相等しい双子がいる100人の痴呆症患者を対象にした研究によると、低教育、早い時期においての歯周病、脳梗塞は、痴呆発症において遺伝子よりも重要な要因であった。
■ アメリカ国立老化研究所の研究によると、年をとって社会活動が低下することは、アルツハイマー発症のリスクとなる。社会活動は精神を刺激する。
|
|
|