中国、韓国、日本など東洋では、古代から歴史的事件を『干支(かんし)』を使って表現してきた。『六十干支(かんし)』は十干(じっかん)(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)、と十二支(じゅうにし)(子・丑・寅・卯・辰・未・午・未・申・酉・戌・亥)の組合せで、60年単位の暦(こよみ)をあらわす。
天干による五運 | | 地支による六気 |
天干 | 五運 | | 子午 | 少陰君火 |
甲己 | 土 | | 丑未 | 太陰湿土 |
乙庚 | 金 | | 寅申 | 少陽相火 |
丙辛 | 水 | | 卯酉 | 陽明燥金 |
丁壬 | 木 | | 辰戌 | 太陽寒水 |
戊癸 | 火 | | 巳亥 | 厥陰風木 |
五運六気学説は、この天干で木火土金水の五運を、地支で風・寒・暑・湿・燥・熱の六気の循環による気象変化を予測し、治療に役立てようとするものである。 さらに24節気にあわせて、年間を六の気に分類している。
11月23日からは終の気
11/23日からは終の気が始まり、小雪から大寒前までがこれに対応する。この時の主気は太陽寒水、客気は厥陰風木(けついんふうもく)である。気候は偏温、不冷が特徴である。厥陰風木が動を司るので、肝病・気滞血?・心腹痛・咳(肝木侮金)が出る。
■気候は偏温、不冷が特徴である。 この時期の主気は「太陽寒水」である。寒くなるのが正常なのだが、客気の「厥陰風木」の「風」が陽の気なので温かくなってしまう。よって、気候は温かさに偏り(偏温)、温かくなってしまうので寒くなるべき時に寒くならない(不冷)。
■厥陰風木が動を司るので、肝病・気滞血?・心腹痛・咳(肝木侮金)が出る。 厥陰風木は「春」「木」「肝」に関係しているので、春のように暖かい冬になり、春の病気である肝の病気が起こりやすい。肝は気をめぐらせる働きがあるが、その働きが犯されやすいので気滞血?になり、循環が悪いと起きる痛みや病気が起こりやすい。お腹も痛くなりやすい。 咳が出るのは肝木侮金となるからである。木は「春・肝」、金は「秋・肺」に当たる。相侮という関係において、金は木を打ち消すのが普通であるが、今期は逆に「春・肝」が「秋・肺」よりも優勢となる。肺は気を下ろす働きがあり、肝は気を上げる働きがある。両者のバランスが取れている時は問題ないのだが、今期は肝が優勢となるために気が上がりやすくなり咳が出る。
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