運気論によると今年は雨が多く、暑い年、すなわち湿熱の年になる。湿気が強く、しかもそれが熱せられるのでアトピー性皮膚炎や喘息の方は症状が出やすくなったり、悪化しやすくなる。
湿熱の年は治療が難しい。なぜなら、湿は暖めてとらなければならないが、暖めると熱によって引き起こされる炎症が悪化する。逆に炎症の熱を取るために冷やすと湿を取ることができない。相互に矛盾してしまうのである。
現代人に湿がたまりやすいのにはいくつか原因がある。
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高カロリーの食事 かつてないほど現代人は高カロリーで動物性の食事を取っている。そのために体の中に湿がたまりやすくなっている。
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地球温暖化 依然議論の余地はあるものの、地球の温度が上がるという環境的要因も無視できない。都市部においてはヒートアイランド現象で夜でも気温が下がらないため事態はさらに深刻である。
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B | 運動不足 仕事で忙しすぎる、車が足代わりになっているなど体を動かす機会が少なくなっている。動かないために筋肉が衰え、少し動くと疲れてしまうのでますます動かなくなるという悪循環に陥っている。 |
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豊かな生活のせいで健康を損ねやすくなっていると言うのは皮肉なことである。 さらに日本は四方を海に囲まれ高温多湿であり、梅雨や台風のシーズンがあるなど風土・気候面からいっても湿がたまりやすいと言える。
そうはいっても症状を改善するために、また予防するために湿をとることは欠かせない。そこでタンポポ茶と温灸を使う。これらを使う利点は以下のとおりである。
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@ | 湿を排出する。 タンポポ茶は体を冷やすことなく利尿を促進する。クーラーがなかった時代には体を冷やす夏の食べ物、キュウリやスイカなどで夏の暑さを乗り切る必要があったが、今は夏でも体が冷えている人が大半である。夏でも体を冷やさないように気をつけることが大切だ。 尿の形で湿を排出することは有効な手段である。 温灸の熱で湿を飛ばすことができる。同時に冷えたからだ、特にお腹を温めることで体に元気の元を入れることができる。 |
A | 毎日使うことができる。 添加物を一切使用していないので毎日使用しても副作用がない。これは大切なことだ。なぜなら、体の湿は一回ですべてをとりきってしまうことはできないからである。 アトピーや喘息は何年も何十年も病気と付き合いながら治療しなければならない。根本的に直そうと思ったら時間をかけて体質を変えていくしかないからだ。副作用なく、価格的にも毎日続けることができ、湿をとる効果がはっきりしている数少ないものの一つがタンポポ茶と温灸だ。そして毎日使うことができるほど安全であるからこそ、症状が出ていないときにおいても予防の目的で使うことができる。未病を治す、これこそが東洋医学の大切な精神である。 |
B | 体を温め、元気を送り込む。 現代人の体は前述したように夏でもとても冷えている。特にお腹は元気を生み出すところなのに冷たく、本来の働きができていない。 温灸でお腹を温めて元気を送り込もう。カイロなどで温めてもいいが、温灸を使えばもぐさの「気」が入るのでさらに良い。 タンポポの陽のエネルギーも体に元気をもたらす。 |
| 体に溜まった湿をとるということは大変根気のいる話で、魔法の薬を飲んであくる日には病気が治ることを期待するせっかちな現代人には気の遠くなる話かもしれない。しかし、食生活に気をつけながら毎日少しずつでも湿をとっていけば、長期的に見れば格段の違いが実感できることだろう。 |
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