夏の野菜なのになぜ「冬瓜」?
冬瓜は夏の野菜ですが、冷暗所で吊るしておくと冬まで保存できることから、こう呼ばれています。中国経由で日本にやって来た冬瓜は、古く平安時代から食卓に上っていました。若いものは表面に毛が密生してカモに似ているのでカモウリとも呼ばれています。完熟すると毛がなくなり、ロウ質の白い粉でおおわれます。水分が多く淡白な味が特徴で、あんかけ、漬物、肉詰料理や中華料理によく使われます。
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夏バテ回復に冬瓜
冬瓜には、利尿や便通を促し、水腫や足のむくみを治す効能があります。尿の出が悪い腎臓病の方によく利用されてきました。夏は汗がたくさん出るので、尿が少なくなり、腎臓の解毒作用が低下するので体内に毒素が溜まりやすくなります。冬瓜を食べて利尿を促し、疲労を回復しましょう。
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冬瓜で肥満予防
冬瓜にはサポニンやトリゴネリンなどが含まれます。これらには血管についたコレステロールを減少させる働きがあります。脂肪の代謝を促進するため、肥満予防にもなります。また、老化を防止するアデニンも含まれます。
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漢方薬としても大活躍
冬瓜の皮は漢方薬として利水・消腫の効能があり、浮腫や排尿障害などに使われます。乾燥させて煎じます。尿量が少ない、むくみの時にお勧めです。茯苓皮(ぶくりょうひ)、沢瀉(たくしゃ)、猪苓皮(ちょれいひ)、桑白皮(そうはくひ)と合わせた五皮飲(ごひいん)は利尿の名処方です。 冬瓜の種は消炎、排膿の効能があります。肺の痰、または腸炎が治ります。冬瓜種を含む漢方、大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)は虫垂炎、腸炎、腸閉塞の治療に使われます。
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滋養強壮剤として有名な八味地黄丸、六味地黄丸という漢方薬はその主成分として長芋が使われています。長芋はビタミンCとEが豊富で、血流量を増加させます。 |
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【今月のレシピ】
■肉じゃが風冬瓜 |
材料: | 冬瓜1/4個、薄切り豚肉200g、糸こんにゃく300g、乾しえび・塩・ショウガ・サラダオイル適量 |
作り方: | 冬瓜は皮をむいて乱切りにする。サラダオイルをなべに引き、豚肉とショウガを軽く炒める。冬瓜、こんにゃく、乾しえびを入れ、かぶるくらいの水で煮る。冬瓜が柔らかくなったら塩で味を整える。 |
■冬瓜の鶏団子スープ |
材料: | 冬瓜1/4個、鶏ミンチ200g、ショウガ・乾しえび・塩適量 |
作り方: | 冬瓜は皮をむいて乱切りにする。すりおろしたショウガ、塩、鶏ミンチを粘りが出るまでこねて肉団子を作る。乾しえびでだしをとり、冬瓜と肉団子を入れてゆでる。 |
■冬瓜デザート |
材料: | 冬瓜1/4個、オレンジ味の粉末ジュース1袋 |
作り方: | 冬瓜は皮をむいて、長さ5cm程度の箸の太さに切る。熱湯でさっとゆでてオレンジ味の粉末ジュースに漬け、冷蔵庫で冷やす。簡単に出来て、子供たちのおやつにもなる。 |
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